
子ども環境文化研究所
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理 事 長 小 山 泰 生 ( Koyama Taisei )
これからの子どもたちは、世界のどこででも職を得て、生き残ることができる、器の大きい人間になることが必要です。ますます国際化する環境のなかで、外国の人々との凌ぎを削るビジネスシーンや、社交の集まりで、自分のポジションを獲得しなければならないのです。他方、一部をのぞけば、あくせく働き、不都合なことがらは隠蔽し、社交の場ではゴルフの話ししかできず、自国の伝統文化すらわからない無教養な人々と思われ、バカにされているのが日本人の現状です。
外国のエリートたちは幼年期から様々な情操教育をうけて育ちます。入試や就職、そして会社のことしか考えられないようでは、彼らと対等に交際をすることができません。
私は、皇太子殿下とご一緒に幼年期から青年期をすごし、帝王学の奥深さを学びました。そして実業界で働いた後、各界最高峰の先生方のご協力を得て幼児教育の事業を始めました。これからの日本を託す子どもたちに、国際的にも尊敬される人間になってほしいからです。大人になって気がついてもあとのまつりだからです。
私たち日本人は江戸時代このかた、高い識字率と算術の能力を誇ってきたのでした。しかし近年では、それも怪しくなってきているのです。偏差値至上主義の教育システムによって、子どもたちは、いかにして多くの「知識」を頭の中に詰め込むか、という競争をすることに明け暮れ、自分の頭で「思考」することを停止しています。
百人一首に凝縮された、すぐれた和歌を暗記することをはじめ、丸暗記を否定しているわけではありません。試験に出題されるか否かではなく、素養として、嗜好として知っている「ゆとり」が大切なのです。競争のためではなく、思考するための基礎をつくる詰め込みならば大切です。そして、ご両親が美しい敬意表現や正しい日本語を日常生活で使うことがなければ、子どもは「ゆとり」という言葉の意味すら体得することはできないでしょう。
最近「ゆとり」の時間と称して学校教育が情操教育をとりいれようとしていますが、家庭と学校が一体になって取り組まなければ効果があがるはずはありません。両親が目先の利害に右往左往する生活であれば、子どももまた効率重視に育ち、「ゆとり」を重んじるようになどなりえないでしょう。その結果、大学生にもなって「分数」の考え方や、九九、割り算、生物や物理の基礎がわからず、太平洋戦争で戦った国すら知らなくて恥ずかしいとも思わない若者が増えているといいます。
算数の力、学科の知識としてだけではありません。喜びや苦しみを「分かち」あう心、未知のものを知る驚き、またそれを伝える豊かな言葉の力が身についていないのです。親の責任は重大です。親自身がこうした生きた教養、生きる知恵に無関心で、どうして子どもにそれを伝えられるでしょう。とくに大人になってからもつねに問われる国語の力や、この国の歴史・伝統の素養が乏しくては、望ましい教育が成り立ちにくいのは当然のことです。
本当の教育とは、子どもたちに「生きぬく力」や、そのための「叡智」を与えるものだと私は信じます。教育は、知識や回答方法を丸暗記する訓練ではありません。
そして、現代の様々な競争のなかで勝ちぬいたあげくに、最後にものを言うのは「人格」です。そして人格は幼年期の「育ち」が形成するものです。「氏より育ち」と言うように、子どもは生まれのよしあしでなく、育つ環境によって人格形成をするのです。特に幼年期には「健全な自己肯定感」を育むことが大切です。それが自信を育み、難解な問題や過激な競争社会をも克服する強い心を育むのです。
過酷な競争の世界だからこそ、最後に勝つのはその意味での「そだちのよい子」なのです。
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超知性(PQ)教育に関する小山泰生の新刊『分数ができない子ども敬語が使えない親』(2001年9月5日発行 文芸社刊 定価1500円+税)についてのご意見、ご感想を子ども環境文化研究所宛お寄せください。―人間形成には「健全な自己肯定感」を育む幼児教育が必須であること。その幼児教育には幼稚園・小学校の「受験」の勉強を適切におこなうことが効果的であること。幼稚園・小学校を選ぶ時は、地球環境にやさしい日本人らしい文化資本やミーム(文化遺伝子)をたくさん持った子どもが集まる、伝統と歴史のある学校を選ぶこと。日本の伝統文化を自覚し、外国の文化を理解して日本語、外国語、そしてプロトコールを使いこなせるようになること。国際人として外国人からも尊敬される人格を磨くこと。・・・―について書き綴りました。 |
ISBN:4835525086
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